2011年5月7日土曜日

<住宅耐震化>伸び悩み 国、独自で補助制度

 ◇「1戸当たり30万円」来年度導入へ 自治体助成に上乗せも

 ◇まずは家の状態知ることから

 住宅耐震化のペースが伸び悩んでいる。国土交通省によると、阪神大震災から3年後の98年時点で68%だった耐震化率は5年後の03年時点で75%まで上昇した。だが、それから5年後の08年時点では79%と、増加の度合いが鈍っている
。大地震で家が倒壊して命を落とせば、他にどんな備えをしていても意味がなく、耐震補強は最も重要な地震対策だ。

 全国の民間木造住宅の耐震補強などを行う事業者で構成する日本木造住宅耐震補強事業者協同組合は8月、06年4月?10年6月に同組合が実施した1万5352件の耐震診断結果をまとめた。それによると、耐震基準を満たしていない住
宅は全体の約86%に上った。建物の強さ(壁量)に関する規定が加わった81年6月の建築基準法改正以前に建てられた木造住宅で約95%、改正以降に建てられた住宅でも約77%が耐震性に問題があるとの結果が出たという。

 また、耐震診断後に補強工事を行った1058件の平均工事額を算出したところ、約150万円だった。同組合の稲瀬稔事務
局次長は「負担額が大きい割に、目に見える部分は変わらないこともあって、なかなか工事をするところまでいかない人が多い。中には安心感を買うと言って耐震補強をする人もいるが、診断結果が悪くても古いから手を入れても仕方ないなどという人もいる」と話す。

 こうした中、国交省は11年度予算の概算要求で、地方自治体の負担を前提としない耐
震補強の補助制度導入へ向けた予算を盛り込んだ。従来は自治体と補助費を折半して負担していたが、国独自で1戸当たり30万円を補助する制度を導入する考えだ。

 新制度導入の背景には、自治体によって耐震補強に対する取り組みに差があることがある。国内約1750自治体のうち、10年4月1日時点で戸建て住宅の耐震補強に対する補助制度があ
る自治体は半数強の957自治体に過ぎない。岩手、静岡県など全市町村で補助制度がある県もある一方、青森県のように補助制度がある市町村が一つもない自治体があるなど、地域間格差が生まれている。耐震診断に関する補助制度がない自治体も約3割に上るという。

 国交省が導入を目指す新制度は、各自治体が行っていた制度に上乗せして利用される
ことも想定しており、同省市街地住宅整備室の石坂聡企画専門官は「既に助成制度がある地域の中には、100万円以上の補助を受けて耐震補強を行えるようになるところも出てくる。これまでなかなか決断できなかった人の中にも工事を考える人が出てくるのではないか」と期待する。

 とはいえ、大きな出費であることに変わりはない。稲瀬事務局次長は
「まずは家の状態を知ることができる耐震診断だけでも行って、劣化部分を直してほしい」と話す。【飯田和樹】

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引用元:sun rmt

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